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人間から海、そしてまた人間へ。マイクロプラスチックが及ぼす悪影響

本日6月8日は、「国を越えてみんなで海のことを考える日にしよう」と、2008年12月の国連総会で制定された『世界海洋デー』です。

産業・生活排水による海洋汚染、地球温暖化による海水温や海面水位の上昇、浮遊し続けるプラスチックゴミ… 今、海は様々な問題を抱えています。海と切り離せない生活を送っている私たちは、海を汚してばかりではなく、もっと海について、海で生きる生き物たちについて真剣に考えなければいけません。

今回は、その中でも特に私たちの生活と関わりが深い『海洋プラスチック問題』についてお話します。

海洋ゴミで最も多いのがプラスチック

食品の容器、包装袋や緩衝材、洋服など、私たちの生活に根付いてしまっているプラスチック。丈夫で安価ということもあり多くのものに使用されていますが、そのほとんどが「使い捨て」です。

今回取り上げる『海洋プラスチック問題』も、その「使い捨てプラスチック」が大きく影響しています。悲しいことに、海洋ごみ(漂着ごみ・漂流ごみ・海底ゴミ)の内訳で最も多いのが、使い捨てプラスチックごみなのです。

では、海にはどれくらいの量のプラスチックごみがあるのでしょう。世界経済フォーラムの報告書(ダボス会議)2016によると、世界では毎年少なくとも800万トンものプラスチックごみが海に流出しているそうです(※800万トンはジャンボジェット機5万機相当)。さらには、2050年までに海洋中に存在するプラスチックの量が魚の量を超過すると予測されています。

この大量のプラスチックごみは、海洋生物にも深刻な問題をもたらしています。例えば、鯨やウミガメ、海鳥など、絶滅危惧種を含む700種もの海洋生物が、プラスチックごみにひっかかって傷つけられたり(数年苦しみ続ける例もあります)、飲み込んで死んでしまっているという報告もあります。私たちが「綺麗だね〜」と言って癒されているのは表面上の海で、実際の海の中では人間が出したごみによってこれだけ多くの生物が苦しんでいるのです。

マイクロプラスチックとは?

そして近年では、海洋中のマイクロプラスチックが生態系に及ぼす影響も懸念されています。マイクロプラスチックとは、海に流失し劣化して小さくなったプラスチックごみや、洗顔料や歯磨き粉に含まれるスクラブ剤(マイクロビーズ)、フリースなどの合成繊維衣料の洗濯などによって発生する、5mm以下になった微細なプラスチックごみのこと。

マイクロプラスチックは、驚くことに北極や南極でも観測されています。2014年にドイツの研究チームが北極で行った調査では、海水1リットル当たり最大1万2000個ものマイクロプラスチックが含まれていたそうです。

私たちが出しているプラスチックごみが海洋へ流出、のちにマイクロプラスチックとなって多くの生物に取り込まれる。そして、魚などの生物を通して、また私たち人間へと戻ってくる。これは決して「人間に悪影響を及ぼすかもしれないから真剣に考えよう」と言っているのではありません。もっと早く向き合わなければいけなかった問題が、人間に影響を与えるほどひどい段階にきてしまっている、というのが現状です。

マイクロプラスチックが海洋生物や人間へどのような影響を与えるのか、詳しいことはまだわかっていません。しかし、本来自然界に存在しない、そして自然分解されずに多くのものが数百年以上もの間残り続けると言われているプラスチックが、生物の中に入っても悪い結果をもたらさないとは考えにくいと思いませんか?

私たちにできること

最近では、大手コーヒーチェーン店やコンビニがプラスチック製から紙製のストローに変えていたり、世界中で使い捨てプラスチックを減らそうという動きが活発化しています。では、私たち個人では何ができるのでしょうか?

まずは、プラスチックごみを極力減らすということ。ペットボトルは分解されるまで400年もの長い時間がかかります。ペットボトルからマイボトルへ変える、無駄にレジ袋などのビニール袋を使わない、過剰包装の商品は買わないなど、小さなことに思われがちな一つ一つの行動も大勢の人が取り組めば確実に大きな一歩になります。

つぎに、適切な方法で捨てること。これも当たり前のことですが、少し前にタピオカのごみ問題が大きな話題になったように、街中にはポイ捨て(置き去りに)された多くのプラスチックごみが目につきます。このようなポイ捨てはもちろんNGですが、プラスチック用に分別されたゴミ箱がない場合も、適当なゴミ箱に入れるなどせず自宅に持ち帰ってから適切な形で処分するようにしましょう。

関係ないことはひとつもない

「海が大好き!」と言っている人はたくさんいます。旅先で綺麗な海に入って気持ちよく泳いでいる人も、ドライブで海を眺めにいく人もたくさんいます。けれど、人間が起こしてしまっている大変なこの現状について、しっかりと知識を持って行動に移している人はどれだけいるのでしょうか?

私も昨年まではただ海を見てはしゃいでいる一人でした。綺麗な海だけに目を向けるのではなく、その綺麗な海をずっと守っていけるように、まずは知ろうとすることがとても大切なのだと思います。これ以上、人間のせいで他の生物たちが苦しまないように。綺麗な海が汚れないように。みんなで出来ることから行動を変えていきましょう。

《参考リンク》
環境省
WWF